Teaching Methods


CLT(Communicative Language Teaching)

CLTは、日本語ではそのままコミュニカティブ・ランゲージ・ティーチングと 言われることが多く、「コミュニケーションのための言語教育」という意味を含んでいる。言語を手段として用いた相互作用、言語を学ぶための相互作用、その どちらにも力点を置く第二言語や外国語教育のための手法。「外国語教育のためのコミュニカティブ・アプローチ」、または単に「コミュニカティブ・アプロー チ」と言われることもある。

概念・機能シラバス(Notional-Functional Syllabus)」の進化版として、CLTにおいては、生徒が多様な場面状況における「目標言語(target language)」を用いることができるかに力点が置かれ、「言葉の働き」の学習にも焦点が当てられる。AL法とは異なり、その主たる目標は、完璧な文 法構造の習得や母語話者の発音の模倣などではなく、学習者自身が意味を生成していくことを支援することにある。学習の成功は、学習者が「コミュニケーショ ン能力 (communicative competence)」をどれだけ高めていくかにかかっている。「コミュニケーション能力」とは、簡単に言えば、言語における形式的・社会言語学的側面 の両方に関する知識と、コミュニケーションをはかるための十分な技量を、結びつけるための能力のことである。

CLTは、詳細に定義された教室における実践を伴った教授法ではなく、教授のためのより広範な手法であると 見なされることが多い。よって、一般的な原則や特色の一覧として定義されることが通常である。こういったもののなかで、デイビット・ヌナンによって作成さ れたCLTの5つの特色がもっとも知られている。

  • 目標言語を用いた交流を通じたコミュニケーションの学習を重視する。
  • 学習場面の中に正しい文章を導入していく。
  • 学習者が言語だけでなく、学習過程にも焦点を当てる機会を用意する。
  • 教室での学習における寄与する重要な要素として学習者自身の個人的な経験を向上させる。
  • 教室内の言語学習と教室外の言語活動を関連付ける。

これらの5つの特色から、CLTの実践家たちは「教室内の学習される言葉」と「教室外での使用される言葉」 の関連性だけでなく、学習者の必要性や要 望に対しても、関心を抱いていることを示している。このような緩い定義の下で、生徒が実際の場面状況でコミュニケーション能力を育んでいくことを支援する あらゆる教育実践は、好ましく有益な指導形態であるとされる。よって実際の教室では、CLTは、学習同士の交渉や協働を必要とするペア活動や集団活動、自 信を養うための流暢さに重きを置いた活動、言葉の働きを学習するロール・プレイなどを行うと同時に、活動の中で文法や発音の思慮深い使用も学んでいく。

CLTは、教師が生徒の言っていることを理解できれば、それは素晴らしい会話であったとしてしまうことには 問題がある。それはどういうことかと言う と、同じ地域出身の教師は、生徒が第1言語の影響からしてしまう間違いを理解することができるのだが、目標言語を学ぶ周りの生徒がその間違いを理解するこ とができないという状況が生じかねない。これはCLTが留意すべき問題である。この問題を解消するCLTにおいては、目標言語を学ぶ教室の生徒たちが理解 できるものだけを、教師も最初は理解するように振舞い、状況に応じて対応していくような模擬の場であるべきである。これがCLTに投げかけられる疑問の1 つである。



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The Natural Approach


他人が他人を育てるというのは一体どこまで可能なのでしょうか?
育てる力を追求するとき、他者の介在と個人がもともと持っている成長力とのバランスを見過ごすわけにはいきません。

コーチングなどに見られるように、最近の教育は、個人が潜在的に持っている力を尊重する傾向が強くなっているように思います。

言 語習得についても、同様な流れがあります。かつては、言語習得に必要な習慣形成は人為的に作ることが可能と考えられていたため、指導のための語彙制限、機 械的な反復練習、文法規則の学習重視、発音はネイティブのそれに近づける、というような指導が中心でした。こうした教育の弊害として、学習者自らの意思で 自己表現をする機会に恵まれず、コミュニケーションの場でその言語スキルが十分に活かしきれ、ませんでした。

こ れに対して、「人間は生まれながらにして言語習得の能力を持っている」という言語観に基づいた指導法が台頭してきました。この言語観を、外国語習得に適用 しようとしたのがStephen D. KrashenによるThe Natural Approachです。以下に紹介するKrashenによる言語習得に関する五つの仮説は、「育てる力」を磨きたい方にも参考になるはずです。

● The Acquisition-Learning Hypothesis (習得―学習の仮説)

Krashenは成人に外国語を習得させる二つのアプローチを提唱しています。ひとつは文法を意識的に学んでその知識を蓄積していく「学習」で、もうひとつは、子供が母国語を習得するときのように意思伝達のために実際に使いながら無意識のうちに覚えていく「習得」です。

学 習と習得の考え方は、人を育てるときにも応用ができます。大人の場合、子供と違い、かなりアタマで動くようになっているため、最初は知識の蓄積を促す必要 があります。知識の蓄積の際、マニュアルを手渡すこともあるでしょう。しかし、マニュアルはメンバーの共通行動基準を定める一方、マニュアルを基点として 応用力を身につけていく人と、そのマニュアルの範囲内でしか適切な行動が取れない人、という人材の二極化状況をもたらす可能性があります。したがって、マ ニュアルをはじめとする知識蓄積のステージ(学習のステージ)をある程度終えたら、次は、実践の場で試行錯誤を体験させながら(習得のステージ)、メン バーの柔軟思考を培っていかなければなりません。

● The Natural Order Hypothesis (自然順序仮説)

Krashenは、文法は言語が自然な状況において使われる限り、一定の順序で習得されると考えました。
英語の場合ですと、進行形や複数形から習得し始め、次に助動詞、冠詞へと進み、三人称単数のSや所有格を表すSなどは最終段階とされています。

英語に限らず、「ものごとの習得には自然順序がある」という考えは、「育てる力」にとっても大切な要素です。指導の初期段階と中盤戦では以下のように学習者が習得できる項目が異なるのです。

<指導初期>   <中盤戦>
・指示通りに業務を進める→  ・なぜその業務が必要なのか考えながら行動する
・上司や先輩の模倣→  ・応用・個性の体現
・部分的な状況理解力→  ・全体的な状況把握力
・現在に100%集中→  ・過去・現在を分析し今後の展開を予測する力

● The Monitor Hypothesis (モニター仮説)

Krashen は、意識的に学習して得た体系は、運用の際に、自由闊達な発話を生み出すことはなく、発話の前後に文法的正確さをチェックするモニターの役割しか果たさな いと考えました。またこのモニターを機能させるには、ルールを知っていること(条件1)、ルールに意識が当たっていること(条件2)、モニターできる十分 な時間(条件3)、という3つの条件が必要だと考えました。

このモニター仮説は、行動規範を 指導する際に抑えておくとよいでしょう。たとえば、提出物の期限厳守を相手に植え付けたいとき、このモニター機能3つの条件を当てはめてみます。まずは提 出物の期限厳守というルールを伝えます(条件1のクリア)。次に、ルールに意識を常に向けさせるために、メールや電話で期限が迫っていることを伝えます (条件2のクリア)。最後は、日常の行動において期限厳守について十分意識できるだけの時間的余裕を与えます(条件3のクリア)。というのも、多忙を極め ると、人は自分の中で優先順位の低いルールから忘れてしまうからです。メンバーの行動規範レベルを上げたいときは、メンバーを適正レベル以上に多忙にさせ ていないかどうかも要チェックです。

● The Input Hypothesis (インプット仮説)

Krashen は、話す力は、理解可能なインプットを通して言語習得の結果、自然に現われるものだと考えました。この話す力を、主体的に技術を行使する力に置き換えれ ば、指導する側がすべきことが見えてきます。すなわち、最初の段階は、学習者が「聞いてわかる内容」「読んでわかる内容」を、できるだけたくさん聞かせ、 読ませることに尽きます。

私自身の英語習得、ならびに知識吸収プロセスも、このインプット仮 説に準じたところがあります。まずは英語のほうですが、膨大な量の英文を読み、聞き、時に音読しながら、発信データベースが自然に頭の中に出来上がったよ うに思います。また、授業や講演で話すネタについても、一定期間がむしゃらに本を読みまくり、自分の知識体系として自然に整理されていくのを待ちます。こ のように「たくさんの知識をアタマに入れる」ということは、「知らないことがたくさんあることを痛烈に自覚すること」でもあり、「記憶力の頼りなさを痛感 する」ことでもあります。しかし、その不安を乗り越えるためには、自分の中に自然定着するまで、インプット作業を続けることしかないと考えています。この インプット期間中に挫折しないために、以下の点に留意しましょう。

<インプット作業を楽しむコツ>

・ 必要な情報は何度も登場するので、その場で必死に覚えなくても大丈夫
・ 暗記して得た知識よりも、自然に染み付いた知識のほうが自分の言葉になりやすい。
・ 体験に勝る知識なしと割り切りながら、知を楽しむ
・ 誰かに話したいと感じる頃が、インプットの仕上げ時期。それまではわき目も振らずインプット
・ 知性とは長年の積み重ねの結果。速効など期待せずに、悠然とした気持でインプットを続ける

● The Affective Filter Hypothesis (情意フィルター仮説)

5 つの仮説の最後の項目として、情意フィルターを紹介しましょう。情意フィルターとは、習得を阻む心理的障害のことで、学習者に不安感があると、この障壁が 高くなり、スムーズなインプットができなくなります。指導の際、この情意フィルターの調整も念頭に置いておくとよいでしょう。指導者の存在が学習者の情意 フィルターを高めてしまっている場合には、あえて自分の存在を薄める工夫も必要です。

 

thanks to

安達 洋

TPR   Total Physical Response 

アメリカの心理学者アッシャー(James J. Asher)によって開発された教授法。幼児の母語習得過程を理論的根拠としているので、ナチュラル・メソッドの一方法と考えられている。教師は目標言語 で命令し、その動作をしてみせる。学習者は教師の命令通りの動作をしたり、ほかの人が反応したりするのを観察することによって、その意味を理解するように なる。聴解が最優先なので、学習者が自分からその言語を使って何か言いたくなるまで、学習者に発話を強制することはない。文法については、教師の指示に 従って動作をするという過程で学習者自らがそこにある文法規則を習得していき、教師は適当な時期にそれらの規則の整理をすればよい。この教授法は学習者が 教師の命令通りの動作をしながら学んでいくので、「全身反応法」あるいは「命令教授法」ともよばれている。

Whole Language 

概観 

ホール・ランゲージについてはいくつかの異なる見解があるため、本質的な説明には困難が伴う。異なる見解の中で共通するものをあげると次のようになる。

  • 文章の読み取りによって意味が形成され、書くことによってその意味が表現される点に普遍性を見出す。
  • 知識創造を目指す構成主義的アプローチをとる。すなわち、生徒がテキストを解釈し、考えたことを自由に文章で表現することを重視する。
  • 高品質でかつ文化的に多様な文章作りを重視する。
  • 読み書き能力を他の教科(特に数学、理科、社会科)と結びつけ、統合することを目指す。
  • よくある読書として、(a)小さい「誘導形の読書」(guided reading)グループの生徒と一緒にいるもの、(b)学生への「音読」をする生徒に対するもの、(c)生徒によって独自になされるもの、がある。
  • 読み書き能力の動機づけの局面に焦点を当て、本に対する愛情と、発達段階に合わせた適切な教材選びを重視する。
  • 意味を基準にした言語理解の指導を行う。読解の授業の一環として(従来のフォニックスとは異なる)「埋め込まれたフォニックス」("embedded" phonics)を含めることがある。
  • フォニックスに関連する他のスキル(文法やスペル、大文字の使用や句読点といった、意味の展開と直接関わらないもの)の重視を避ける。

なお、通常は英語を想定した議論が展開されるが、考え方そのものは他の言語にも応用可能とする見方もある。


理論的前提 

学習理論 

ホール・ランゲージの考え方には、認識論の1つである「全体論」(holism)に基づいた学習観が基礎になっている。すなわち、個々の学習理論の総和によって人間の精神活動のすべてを説明することはできないという立場をとっている。この立場は、「全体が個々の総和を越える要素を規定する」として、古典的学習理論である行動主義や、その根底にある還元主義に対抗する立場である。


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